日本人として生活しているとあまり意識することは少ないかもしれませんが、世界には宗教上の理由で食事や行動が定められている方がいます。
そんな中で配慮したいのがイスラム教徒の方の食事。「ハラール」「ハラールフード」という言葉を聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?
でもこれ、実際何に気をつけておけばいいのでしょうか。そこで今回は、お店でイスラム教徒のお客さまを迎えるにあたって注意したい点についてまとめました。
ハラールフードを正しく理解して、イスラム教徒のお客さまをおもてなし!
- ハラール・ハラールフードの意味
- 食べられる料理(ハラールフード)は何なのか?
- ハラール認証基準を確認しよう!
1. ハラール・ハラールフードの意味
そもそも、ハラールとは何なのでしょうか?
イスラムの教えで「許されている」という意味のアラビア語がハラール(ハラル)【アラビア語: حلال Halāl 】です。反対に「禁じられている」と言う意味の言葉が「ハラーム(ハラム)」です。ハラームをノンハラール(ノンハラル)と言う人もいます。
神にしたがって生きるイスラム教徒にとっては、生活のあらゆるシーンでこのハラール・ハラームの考えに従う必要があるのです。
ハラールフードとは直訳すると「許されている食事・食材」となるため、イスラム教徒の方が食べても良いもの、というように考えられるでしょう。
2. 食べられる料理(ハラールフード)は何なのか?
では、「ハラールフードを提供しよう」となった場合、具体的に何が提供可能なのでしょうか?
『豚』は、その派生物を含めて全てが禁じられています。
豚以外の肉についてもイスラムの教えに則った方法でと畜・加工処理されなかった肉についてハラムとみなされます。
※肉についてハラルを意識するムスリムの割合は非常に高いです。『酒』については、イスラムの教えでは酒を飲み酔ってしまった時の害が指摘されています。
そのため、飲料用のアルコールは避ける人が多いですが、工業洗浄用アルコールや、手指の消毒用のアルコールを避けようとする人の割合は下がるようです。
細かく見ると宗派や国によって解釈が異なるようですが、まず注意するべきは「豚肉」と「酒」の提供に関してでしょう。
ハラルなものでもハラムなものに混ざったり接触したりすると、ハラムとみなされてしまうことにも注意が必要です。
たとえばシチューに豚肉を入れていたとして、お皿に盛り付ける際に豚肉を取り除けばよいかというと、そうではありません。触れたり混ざったりなど、接触の可能性がある場合は全てNGなのです。
以下の表現が非常にわかりやすいですね。
(ムスリムにとっては)「けがれる」「コンタミネーション(汚染)」の感覚に近いと考えると理解しやすいでしょう。
3. ハラール認証基準を確認しよう!
さて、ハラールを理解してお店でハラールフードを提供するのであれば、それがお客さまに伝わる状態で記載する必要があります。
そこで有効なのが「ハラール認証」の認証基準の確認。このハラール認証の取得は非常に条件が厳しいもの。そこでまずは「ハラールレストラン認証」「ハラールキッチン認証」の認定基準を満たしているかを確認し、それを文章やPOPにして開示するようにしましょう。
詳しい認定基準は以下のページで詳しく解説されています。
いかがでしたでしょうか?
ハラールフードを正しく提供することは、イスラム教徒を理解することでもあります。訪日観光客や日本在住のイスラム教徒の方でも安心して入れるお店を目指して、こうしたメニュー展開を考えてみても良いのではないでしょうか。
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