「30年以上のキャリアを持つベテラン鍼灸師が腰痛や肩こりを治療します!」
よく見かける売り文句ですが、場合によっては法律違反になることをご存知でしたか?
「あはき法」「柔整法」という法律によって、鍼灸院や整骨院などでは広告できる内容に制限があるんです。
気づかないうちに法律違反して行政指導!なんてことにならないようにきちんと知識をつけておきましょう!
「あはき法」「柔整法」による広告表現の規制内容
- 「あはき法」「柔整法」とは?
- 広告表現の規制内容
- やってしまいがちなNG事例
1. 「あはき法」「柔整法」とは?
「あはき法」と「柔整法」にはそれぞれ「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」「柔道整復師法」という正式名称があり、鍼灸院や柔道整復師(整骨院や接骨院)の業務についてさまざまな規程を定めています。
これらの法律では、「鍼灸師や柔道整復師は国家資格保持者であり、その業務内容は医療類似行為であるため、市民の誤解や被害を未然に防ぐ必要がある」という理由から、「広告」についての制限事項もしっかり記載されているんです。
2. 広告表現の規制内容
それぞれの法律では、「広告してはいけない内容」ではなく、「広告してもよい内容」が明示されています。
ですので、法律に記載されている内容しか広告してはならない、ということになります。
どんな内容であれば広告してもよいかというと、
・施設の名称
・施術者の氏名・住所
・施術日・場所
・電話番号
・予約・出張施術の実施
・駐車設備に関する事項
・医療保険療養費支給申請ができる旨
・ほねつぎ(又は接骨)(※柔整法)
・もみりょうじ ・やいと、えつ小児鍼(はり)(※あはき法)
以上だけです。
ただし、これらはあくまでも「広告物」についての規制なので、たとえばホームページや患者さんに直接お渡しする施設紹介のチラシなどはこの限りではありません。
広告物と非広告物の分類については、ざっくりと次の通りです。
【広告の制限に該当する媒体】・チラシ、パンフレット等・ポスター、看板・新聞、雑誌、その他出版物、放送・Eメール、インターネット上のバナー広告等
不特定の方(一般の方)が施術所名称、住所等の記載がある広告を見て勧誘目的が認識できりものはダメということです。
【広告制限に該当しないもの】
・院内掲示、院内で配布するパンフレット等・患者からの申し出に応じて送付するパンフレット、Eメール等・従業員募集に関する広告・インターネット上のホームページ
3. やってしまいがちなNG事例
施術者の経歴紹介
NG:「○○治療院に10年勤め、整形外科勤務を経た、キャリア30年以上の鍼灸師が……」
というような、施術者の経歴を明示するのはNGです。
修正例:「豊富な臨床経験を持つ鍼灸師が……」
適応症や具体的な症状名の記載
NG:「腰痛や肩こり、生活習慣病を治療します!」
看板やチラシなどに治療対象の症状や適応症の名称を記載している治療院も多くありますが、実はこれもNGなんです。
修正例:「日々の生活での辛い症状や体の痛みなど、さまざまなお悩みについてご相談ください!」
具体的な施術内容の説明や写真での紹介
NG:「腰痛に対しては○○という器具を使い、腰椎に直接働きかけることで背骨の歪みを取り除きます」
といったような、具体的な施術内容を説明するのも規制の対象となります。
また、器具を使っている様子などの施術内容がはっきりとわかる写真を掲載するのもNGとなります。
修正例:「さまざまな手法によって体の歪みを改善し、不調を取り除きます」
こうして見ていくと、実は広告で表現できる内容はとっても少ないんです。
しっかり法律を守って、チラシやWEB広告ではまず院の名前や存在を知ってもらい、その後にホームページや手渡しのパンフレットなどで詳しい紹介をするようにしましょう!
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